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改正SOLAS条約の発効で釣り場が消えた!

SOLAS条約(ソーラス条約)ってなんだ?
 1912年に北大西洋上で起きた「タイタニック号沈没事故」を契機として定められた、「海上における人命の安全のための国際条約」が、『SOLAS(ソーラス)条約』です。
(2004年5月現在、146ヶ国が批准)
 この条約はこれまでも船舶や港湾設備の発展、海上交通の安全確保などに合わせて改正されてきました。2004年7月1日発効の改正は、2001年9月のアメリカ同時多発テロを契機に、国際テロの阻止を目的として、船舶および港湾施設の設備や保安体制などの強化義務が盛り込まれています。SOLAS条約には保安基準が定められており、その基準を満たした保安対策を施すことになります。各国が独自の判断や基準で対策を行うといった内容ではありません。
 テロリストの目的は直接的な破壊活動によって人命を奪ったり、直接的な経済損失を与える事だけではなく、工作員を送り込み、狙った国の国際的信用を失墜させる事、人心攪乱や国論の分断なども目的です。このようなテロ活動を阻止するために、保安対策を強化するように改正されました。

それが釣り人と何か関係があるの?
 大いにあります。陸っぱりファンや港湾部でボートフィッシングを楽しむ釣り人とって、非常に大きな問題です。国際航路を航行する、500t以上の貨物船や旅客船に供する岸壁などにおいて保安強化が義務付けられます。つまり、法律によって関係者以外の立ち入りが厳重に規制され、海側も岸壁への接近が制限されるということです。
保安対策強化の対象となる関東〜中部地方の主な港は次の通りです。
【茨城県】日立港・常陸那珂港・鹿島港
【千葉県】千葉港・木更津港
【東京都】東京港
【神奈川県】川崎港・横浜港・横須賀港
【静岡県】田子の浦港・清水港・御前崎港
【愛知県】名古屋港・三河港・衣浦港
【三重県】四日市港・津松阪港・尾鷲港
※引用
【関東地方整備局 港湾空港部】
 記者発表一覧 2003年度記者発表
 http://www.pa.ktr.mlit.go.jp/index.html
【中部地方整備局所管事業の平成15年度補正予算】
 −V.港湾空港関係事業−
 http://www.cbr.mlit.go.jp/yosan/15hosei/pdf/05.pdf
全国の特定重要港湾、重要港湾
【国土交通省港湾局】
特定重要港湾及び重要港湾の位置図
全国の規制エリア総合一覧
【国土交通省港湾局】
国際船舶・港湾保安法に基づく埠頭保安規程等の承認について
 
(規制エリア図が掲載されたがとっても不親切でわかりづらい)
 釣り雑誌やレジャー情報誌でもおなじみの港ばかりですが、今回の条約改正によって、従来よりも高いフェンス、ゲート、監視カメラ、センサー、照明施設などの設置、保安員(警備員)の配置が義務付けられます。陸側だけではなく、海側からの侵入対策も行われます。プレジャーボートでの接近も規制されますので、ボートフィッシングの際も注意してください。 保安対策強化の対象となるのは、国際航路を航行する500t以上の貨物船や旅客船が停泊する埠頭・岸壁(係船浮標を含む)と、停泊船の前後左右30mの水域です。
  対象港のすべての岸壁や埠頭が規制されるわけではなく、国内航路だけを通る船が停泊する埠頭や岸壁、漁港、防波堤、防潮堤、臨海緑地、釣り公園などは対象外です。 保安対策強化対象港のどの岸壁や埠頭が規制されるのかといった個別情報については、下記 サイトにて、地域別・港湾別に確認できます。

全国規制エリア総合一覧

国土交通省港湾局
国際船舶・港湾保安法に基づく埠頭保安規程等の承認について
各港湾の詳細については、下記にお問い合わせください。
海とみなとの相談窓口
http://www.mlit.go.jp/kowan/soudan/soudan.html

フリーダイヤル 0120-497-370(平日09:00〜12:00 13:00〜17:00)
お題目はわかった。でも、実際は黙認するんじゃない?
 黙認されません。今回の保安対策強化は、荷役作業の邪魔になる、ゴミ放置に手を焼いている、違法駐車で地域が迷惑している、といった問題とは別次元です。
 先に述べたように、国際条約による保安対策強化ですから、この条約の保安基準に満たない港から出港した船は、相手国側に入港拒否される可能性もあります。 例えば、500t以上の貨物船がSOLAS条約の保安基準に満たない港に停泊して、船荷を積み込んだ(降ろした)とします。この貨物船は自国に戻ってきても、自国なのに入港拒否される可能性まであります。こうなると、どこの国の船も保安基準に満たない港には立ち寄れません。実質的に船での貿易が不可能になってしまいます。SOLAS条約は海上貿易にとって絶対です。
  取材に応じてくれた港湾管理組合では、貿易立国である日本にとって国の根幹にも関わる問題であり、法律による規制なのでお目こぼしや黙認は一切しないと断言しています。
 条約の発効に合わせて国内法も改正されました。従来は港湾施設を持つ企業や管理組合による立入規制でしたが、法律による規制となりました。2004年3月18日に衆議院全会一致で可決、4月7日の参議院でも全会一致で可決、4月12日に公布され、2004年7月1日に施行。
そんな話聞いてないよ!
 そりゃそうです。誰も「今まで黙認されてた釣り場でも7月からは入れなくなりますよ」とは言えないんですから。だって従来から港湾施設は臨海緑地、海浜公園、釣り公園などの施設や設備を除いて関係者以外立入禁止ですもの。行政や施設管理者側の立場から言えば、今さらアナウンスする必要無しとなるわけです。また、保安体制や保安設備の詳細な内容をテロリストや侵入者に知られたら逆手をとられてしまいますから、不用意に公表はできません。
 一般に理解しやすいかどうかはともかく、国土交通省から概略説明と案内が出ています
【国土交通省 大臣官房SOLAS条約改正等対策推進室】
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律の一部施行に係る国土交通省ホームページ上における案内について
【国土交通省 大臣官房SOLAS条約改正等対策推進室】
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保などに関する法律の概要
(pdfファイル)
【国土交通省 危機管理局】
国土交通省におけるテロ対策について
国土交通省港湾局
国際船舶・港湾保安法に基づく埠頭保安規程等の承認について
誰も気付いていない、動かない……
 '04年4月11日にいくつかの釣り団体、スポーツ新聞、釣り情報誌、釣具店、釣餌店などに今後の対応や動向を尋ねてみましたが、どこも情報は持っておらず、逆に情報を求められるといった状況。情報提供しても、いわゆる"大人の事情"で取り上げない、動かない所もありましたし、逆に「この件は突っつくな、騒ぐな」と圧力をかけてきた所もありました。それはともかく、"黙認釣り場"として、釣り人やレジャー客でにぎわう市民の憩いの場となっていましたから、釣り人やレジャー客の立場から言えば、今まで黙認していたのに、建前を前面に押し出してきていきなり締め出されたのも同然だと感じるでしょう。
それでも我々釣り人はどうしてもダメだとなれば、他の釣り場に行けば済みます。しかし、釣り客やレジャー客を相手に商売をしている、港湾施設周辺の釣餌店や商店は経営が立ち行かなくなってしまうかもしれません。お気の毒としか言いようがありません。
 '04年5月に入って、ようやく財団法人日本釣振興会社団法人全日本釣り団体協議会が、国土交通省に質問と要望の申し入れを行いました。どのような回答が返ってきたのかは報告されていませんが、行政の所轄する釣り団体の申し入れですから注目しておくべきでしょう。
財団法人 日本釣振興会】(管轄:水産庁、環境省、文部科学省)
日釣振・プレスリリース2004年5月
 
社団法人 全日本釣り団体協議会】(主務官庁:水産庁)
特定港湾での市民の立ち入り制限について全釣り協で急ぎ調査を開始
じゃぁ、どうすりゃいいのさ!
 答えは一つ。立入禁止場所に入るのはやめましょう。従来と同じつもりでフェンスや金網を破る、ゲートの鍵を壊す、ハシゴを掛けて乗り越えるなど、施設敷地内に忍び込んだりすると、一罰百戒で器物破損や不法侵入で刑事告発される可能性もあります。監視カメラ、センサー、夜間照明、常駐保安員が配備され、警察、海上保安庁との連携も協議済みですから、強引に突破するとその場で摘発される可能性大です。厳重な保安対策フェンスを破ったり、乗り越えたり、対策設備をくぐり抜けて侵入しておいて「知らなかった」は通用しないでしょうし、フェンスの破れ目や、誰かの置いたハシゴを使ったと言っても言い訳にはならないでしょう。壊したフェンスやゲートの弁償どころか、悪質な場合は"釣り人を装ったテロリストかテロ協力者"とみなされ、勾留の上で取り調べを受けるといった、大きな代償を支払う事になるかもしれません。
 国土交通省中部地方整備局管内の対象港(田子の浦港・清水港・御前崎港・名古屋港・三河港・衣浦港・四日市港・津松阪港)における改正SOLAS条約に対応した港湾の保安対策強化事業費はおよそ90億6千万円が計上され、名古屋港を抱える愛知県では埠頭保安設備整備費補助予算として65億8千4百万円もの予算が計上されました。平成15年度の港湾関係事業補正予算ですから、保安対策設備のためのお金は用意したと言うこと。計画倒れに終わることはあり得なかったのです。
※参考【中部地方整備局所管事業の平成15年度補正予算】
V.港湾空港関係事業
http://www.cbr.mlit.go.jp/yosan/15hosei/pdf/05.pdf
法律によって保安対策が強化され、立ち入りが規制されるという点をしっかりと認識し、くれぐれも立入禁止エリアに入らないようにしてください
    
したっけ、何もできる事はないの?
 誤解の無いように申し述べておきますが、私は関係省庁や港湾管理関係者ではありません。政治家や役人でもありませんし、特別なルートで情報を得ているわけでもありません。このコンテンツ記事も新聞・テレビ・ネットで仕入れた情報を元に、関係すると思われる各所に取材を申し入れて、確認をとってまとめたものです。
 私も港湾部をメインフィールドに、四季折々の釣りを楽しむ釣り人です。市街地から近く、磯などよりも安全な港湾部の釣り場が減ってしまうのは痛恨の極みです。しかし、この保安対策強化は日本の行政による釣り人イジメや庶民イジメではありません。釣り人やレジャー客を締め出すのが目的ではなく、テロを阻止するための国際条約ですから、批准している世界各国でも、同じ内容の規制が同時に施行されます。貿易立国である日本にとって、国際競争力や信用を維持する上で必要な保安対策強化である事を考えれば、今、私たち釣り人が考えるべき事は反対や批判の声を上げることではなく、残された釣り場をいかに守り、新たな釣り場を育てていくかではないでしょうか。
 今回の保安対策強化対象外の釣り場には、今まで以上に釣り人やレジャー客が集中します。今でさえ安全意識の希薄さや、無謀な行動による落水事故、ゴミの放置、違法駐車による地域の迷惑、釣り場での割り込みや独占、釣法の違いによる釣り座争いやいがみ合い、施設の破損や落書き、漁業者や漁港管理者とのトラブルなど、問題が山積しています。そんなところに、さらに大勢の人々が押し寄せるのですから、危機的な状況に陥るのは目に見えています。
 釣りは趣味、道楽、遊びです。自由に、他人に口出しされずに楽しみたい。しかし、「自由」と「好き勝手のやりたい放題」をはき違えてはならないでしょう。他人に口出しされない行動をとり、釣りマナーやルールを釣り人自身が守り、打ち立てていくべき時期に来たと言えましょう。
 文章にするだけ、言葉で言うだけでは綺麗事に過ぎませんが、ほんの少しだけ気を遣って実践していけば、理想の実現につながっていきます。
「釣り人が来て、周りのゴミも片付けていってくれるから清掃予算を
 減らすことが出来た」
「釣り人が宿泊、食事、乗船料などで、地元観光産業にもたらす経済
 効果は小さくない」
「釣りを観光資源として見直し、海岸線や港を開放して多くの釣り人
 に来てもらおう」

気の長い話かもしれませんが、こういった自治体だって生まれてくると思います。国土交通省、環境省、文部科学省、農林水産省でも、海岸線の開放や水辺のレジャー推進構想を持ち、検討しています。構想を後押しし、前進させていくためには釣り人自身の行動が大切です。行動といってもお役所に陳情しに行ったり、署名を集めるといった事ではありません。
 安全釣行を心がけ、ゴミはきちんと持ち帰り、車をちゃんと駐車スペースに駐車し、釣り場の施設を汚したり壊したりせず、乱獲を慎み、稚魚は逃がしてやり、漁業者の邪魔にならないようにする。釣り場をよく知る地元の常連釣り人が釣法による釣り座の棲み分けをローカルルールとして定着させ、釣り場の雰囲気作りに協力しあう。これにはお金も人手も頑張りも必要ありません。当然のことを当然に行い、ちょっと気遣いするだけで大切な遊び場である釣り場を守り、育てることが出来るはずです。前向きに先を考えていきましょう。
釣り場が消えるのは改正SOLAS条約だけじゃないぞ!
 こちらも大変な問題です。神奈川県の1.6kmにも渡る護岸で、釣りが完全に禁止されてしまいました。私たち釣り人の行動が、釣り場周辺地域住民のみなさんにどのように見られ、受け止められているかを深く考えさせられる事例です。
※参考釣り禁止! 釣り人は嫌われ者!?
さらに、2004年11月10日の神奈川新聞に驚くべき記事が掲載されました。横浜市港湾局、横浜水上警察署、横浜海上保安署が、横浜沖堤の立入禁止に向けて動き出したというのです。
※参考沖堤よ、おまえもか!
てか、悪い話っきゃねーのかよ!
 海岸線の開放や水辺のレジャー推進は掛け声だけじゃありません。立入禁止が解除され、年中無休24時間開放、入場無料の海釣り公園に生まれ変わった例もあります。
※参考立禁解除! 高潮防潮堤が釣り公園に生まれ変わった!!
また、福島県小名浜港では2号埠頭に釣り区域を設け、新設の釣り公園が誕生しました。
※参考福島県に新設釣り公園誕生!!
官公庁、地方自治体、港湾施設管理・施設関係企業、
マスコミ各社、釣り関係業界のみなさまへ
 このコンテンツは港湾部の保安対策強化を批判する趣旨ではなく、釣り人やレジャー客に従来のような安易な気持ちで立入禁止区域に侵入しないように訴えるものです。みなさま方におかれましても、釣り人、レジャー客、周辺地域住民へのわかりやすい告知をお願いいたします。法の施行から数年を経た現在も、なぜ港湾部への立入規制が強化されたのかを理解していない市民は大勢います。知らぬが故に「企業や施設管理者による規制」から、国際条約に基づくより厳格な「法による規制」となった認識を持たず、フェンスを乗り越えたり、破ったりして立ち入る人が後を絶ちません。
 ご依頼があればレジャー客・市民向け、子供向けの解説記事を執筆いたします。貴団体名(企業名)・ご担当者様ご氏名・ご連絡先をお知らせください。当方の略歴、執筆歴などをお送りいたします。
【公認釣りインストラクター、ライター】YASU KONDO
   
保安対策でお困りの港湾施設管理責任者のみなさまへ
 港湾施設を管理されている地方自治体、団体、企業のみなさまからも多数のアクセスをいただいておりますが、本サイトは釣り人(規制される側)の視点で編まれております。具体的な保安対策手法や担当者教育につきましては、海事保安専門のコンサルティング企業があります。下記サイトをご参照ください。
【海事保安コンサルタント】
株式会社IMOS (International Maritime Onboard Security)
2004年7月1日以降、何が起きて、どうなった?
 立入禁止場所に侵入した釣り人が摘発された事例があります。
続編「改正SOLAS条約発効、その後……」をご覧ください。