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改正SOLAS条約で
釣り場が消えた!

改正SOLAS条約発効
その後……

釣り禁止!
釣り人は嫌われ者

沖堤立入規制
沖堤よ、おまえもか!

立禁解除!
防潮堤が釣り公園に!!

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釣り禁止! 釣り人は嫌われ者

 海岸、防波堤、漁港などで「釣り禁止」になっている場所がたくさんあります。釣りが禁止される理由は様々ですが、まず第一に"危険な場所"であるからという理由。外海に面した防波堤・防潮堤は堤防を越える高波が押し寄せてくる事も珍しくありません。波にさらわれて命を落としたり、行方不明になる釣り人は毎年後を絶ちません。
 また、2004年7月1日に発効した改正SOLAS条約に基づく保安対策強化で、厳重な保安設備が設置され、関係者以外の立ち入りを厳しく規制された港湾岸壁や埠頭もあります。
※参考改正SOLAS条約で釣り場が消える!? 消えた!!
   改正SOLAS条約発効、その後……
 このような場所は、「釣り禁止」と言うよりも「立入禁止」になっています。問題なのは、「散策や潮風を楽しむ一般の立ち入りはOKだけど、釣りは禁止」という場所。どうして誰のモノでもない海で、釣りという代表的なレジャーが禁止されているのでしょう?

 答は、「釣り人は、自分勝手で危険で迷惑な存在」になっているからです。

なんだとぉッ! 海や港や護岸は誰のモンだってんだ!
 まぁまぁ、まずは落ち着いて、続きを読んでくださいな。気が短いのは釣りに向いていると言いますが、短気は損気とも言います。
 防潮堤、防波堤、港湾、漁港、埋立地の岸壁は釣りのために造られたものではありません。高潮や高波の被害を防ぎ、海岸の浸食防止、流通や貿易の振興、産業としての漁業振興、工業地や住宅地の開発など、国土保全と経済振興を目的に造られています
 誰の金で造り、管理しているのかと言うと、国土保全の観点から海岸法に基づき、護岸や堤防は国土交通省が国費(税金)からお金を支払って造築します。そして多くの場合、完成後は受益者となる地域の自治体に引き継がれて、管理は自治体の管轄となります。港の場合は港湾管理組合、漁業協同組合などの管轄になる場合もあります。
 昔から海辺は市民の憩いの場であり、安らぎの場でもあり、護岸設備や港湾施設を造築する国土交通省や、管理を受け持つ地方自治体などでも、「地域の人に親しまれる海岸を」と、地域住民代表や学識経験者を交えた委員会を開いて意見を聴き、人々が散歩が楽しめる遊歩道を設けたり、潮風を楽しむ親水公園、臨港緑地などの公共施設を併設しています。
だったらなんで「釣り禁止」なのよ?
 想像がつくんじゃありませんか? 理由はいくつでもありますが、主な理由を順に挙げていきます。
ゴミの放置
 ペットボトル、弁当パック、レジ袋、配合エサの袋やパッケージ、釣り糸、ハリ付きの仕掛け、残ったエサやコマセ、etc……。釣り場はどこもかしこもゴミだらけです。チョット見ではきれいな堤防も、消波ブロックの間を覗いてみると、そりゃもうすごい事になっています。ゴミは釣り人が放置したモノだけではなく、観光客の捨てたゴミや漂着ゴミもあります。だからといって釣り人がゴミを放置しても良いはずがありません。残念ながら釣り人が放置したゴミが一番目立つのも事実です。
 こういったゴミを片付けるのは誰でしょう? 年に数回、釣具店、釣り団体、環境保護団体や釣り人、地域住民の皆さんの有志が清掃活動を行っています。頭の下がるありがたい活動なんですが、とても追いつきません。メインは地方自治体や漁業協同組合による大がかりなゴミ回収、ゴミ撤去作業です。この費用は地域住民のみなさんの税金、漁業関係者から支払われていると言えます。
違法駐車・迷惑駐車
 海岸沿いの道は狭く、曲がりくねっている場合が多い。狭い道に車を駐車されたら、当然ですが道路は渋滞します。救急車や消防車、パトカーなど緊急車両の通行の妨げにもなりますから、地域住民の皆さんにしてみれば釣り人の車は迷惑千万ですね。
歩道、水辺の占拠
 市民の憩いの場で、水辺に親しむための遊歩道や親水公園なのに、ズラリと釣り竿が並んでいて水辺に近づけない。その上、そこかしこに釣り人の荷物や自転車が置かれていて通りにくい。これでは地域住民のみなさんから苦情が出て当然でしょう。
護岸や施設の破損、破壊
 チャランボや竿掛けを立てるために、護岸や消波ブロックにタガネやドリルで穴を開ける。柵を竿掛け代わりにするために、ハンマーや鉄棒でひっぱたいてヘコませる。水辺に降りるために、柵やフェンスを破ったり、ゲートやゲートの鍵を壊す。ねぇ、それらはみんな公共の財産ですから、税金で造られてるし、税金で直すんですよ。第一、そういう行為はすべて犯罪行為です。
傍若無人な態度、言動

 ゴミの放置、駐車違反、歩道の占拠などを注意されると、逆ギレして食ってかかる釣り人。
「海は広いし大きいんだから、こんなゴミくらい平気だって。
 それより不法投棄がウンヌン」
 →そんなゴミが溜まって汚いんです。論点をすり替えようったって
  ダメですってば……
「ちょっと駐車しただけだし、みんなも駐車してンじゃんよ」
  →みんなが違法駐車してるから困ってるんですよ……
「海はおまえらのモンじゃねーだろ。
 誰のモンでもねーんだから文句言うな!」
 →いや、それを言うならあなたのモンでもないし……
こういった傍若無人な態度や言動への苦情は、匿名で市民の声として行政にBBSやメールで届くご時世なんですよ。
危険な投入、ハリ付き仕掛け、オモリの直撃
 大海原に向かって豪快にキャスト! 釣りの醍醐味の一つですね。私も大好き。しかし、釣り人以外の人々や子供さんも走り回っている場所で、大きく竿を振りかぶっての投入は危険です。ハリの付いた仕掛けを引っ掛けられたら、たまったモノではありません。
「ハリで刺したくらい……」などと言うなかれ。ハリを刺して、そのまま引っ張られるんです。皮膚は裂け、耳やまぶたに刺さっていたら、想像するのもおぞましいケガになるでしょう。投げ釣り仕掛けのハリでも危険なのに、ルアーフックやギャングバリとなると、さらに危険。投入時は前後左右、周囲の安全確認を必ずしましょう。
 投げ釣りのオモリも危険です。防波堤からの投げ釣りでよく使われている20号のオモリって何グラムか知っていますか? 1号≒1匁≒3.75gですから、20号は20匁の約75g。物理の数式で説明するのは割愛しますが、単純に100m飛ばす勢いで投げられた75gのオモリにどれほどの威力があるのか、火縄銃を例に挙げてみましょう。
 戦国時代後期の火縄銃の弾が10匁(37.5g)、有効射程距離100m、殺傷距離50mと言われています。投げ釣りのオモリはこれの2倍の重さですから、相当の威力があります。放物線を描いて飛ぶ釣りのオモリと、直線弾道の火縄銃とを比較するのはいささか乱暴ですが、100mもブッ飛んでいく鉛玉の威力を想像してみてください。オモリの直撃を食らったら、「痛い!」では済まない大怪我を負うし、当たり所が悪ければ即死しちゃいます。
 では、もっと軽いナツメ型の中通しオモリ3号はどうでしょう? 根掛かりしたので道糸をギュン! と引っ張ったら、ハリスが切れてオモリがスッ飛んできた、という経験をした方もいると思います。ナツメ型中通しオモリ3号の直径は約8mm。ベレッタM92、ワルサーP-38、ルガーP-08などの弾丸である9mmパラベラム弾と、ほぼ同径の鉛玉がすっ飛んでくると考えれば、どれほど危険なのか理解出来ると思います。
 あなたは投入時に前後左右の安全確認をしていますか? 根掛かりを切る時、周囲に声掛けをして注意を促していますか?
事故発生時の責任問題
 山で遭難して山岳会などに捜索隊を編成し、救助ヘリコプターを飛ばしてもらったら、捜索隊の人件費やヘリコプターのチャーター料などの救助捜索費用は、遭難者(救助活動依頼者)の自己負担となります。数十万円〜数百万円、時には1千万円をも越える救助費用が請求され、それを支払わなければなりません。
 では、海で遭難した場合はどうでしょう? 海上保安庁が救難艇を出し、救助ヘリを飛ばし、ダイバーを派遣します。地元漁業協同組合も社団法人「水難救済会」を通じて漁船を出し、捜索・救助にあたってくれます。
 この捜索・救助活動に掛かる費用はいくら請求されると思います?
数百万円以上? 答えは"0円"。タダなんです。海上保安庁からも、漁協からも請求書は来ません。四方を海に囲まれた海洋国家の日本だから、海での遭難は国が担保してくれます。漁業協同組合のみなさん(=漁師さん)は"海の男の心意気"として協力してくれるんです。

 水辺のレジャーに水難事故の危険はつきもの。これに関してはどんな水辺でも同じ。しかし、事故が発生して損害賠償請求を起こされた時に、「施設の構造、安全管理上の手落ちがなかったか」と争われる(追求される)と困るんですね。護岸の造築は国で、管理は都道府県などの地方自治体や管理組合などです。
「事故発生時の責任は、造った国と管理してる地方自治体、どちらが
 負うんですかねぇ?」
「あぁ、台風が近づいてても、波が高くても、釣り人は来ちゃいます
 からねぇ……」
事故に遭わないよう注意して、危険を避けるのは利用者の自己責任
 
でしょう?」
「でもね、実際に事故が起きたら、被害者や遺族が"管理責任"を追求
 してきますよ」
「釣りをしたり、水辺に降りて遊んだりしても良いと認めていたから
 事故に遭った、とかの屁理屈を振りかざしてね」
「だったら、立入禁止にしちゃえば、勝手に入った方が悪いって事で
 済みますわな」
「それじゃ、市民の憩いの場として機能しないじゃないですか!」
日本ではまだ、オウンリスク(自らが負うべき危険=自己責任)と
 いう考え方が一般的じゃありませんからねぇ……」
「そうそう、自己責任という言葉が正しく理解されていないし、浸透
 していない
ですから」
「いっその事、釣りだけじゃなく、水辺は完全に立入禁止にしちゃい
 ましょうかね?」
「それが一番無難だし、当方の管理責任も全うしてた事になるね。
 全面立入禁止って事にしておきましょう!」
「では、反対1、賛成多数という事で、釣りは完全禁止、水辺の立ち
 入りも禁止に決定〜ッ!」
ってな話の流れになっていくのは、当然かもしれません。
「自己責任」って事くらい知ってらぁ
 「わかってるよ。事故が起きてケガしたり、命を落としても自分の
  責任って事でしょ?」
まぁ、それもあるんですが、それはむしろ"自業自得"の意味ですね。
 先に述べたように、海で遭難した時には海上保安庁だけではなく、警察も、消防(救急隊)もダイバーも、漁業協同組合のみなさんも出動します。漁村だと周辺住民の皆さんも、浜辺の捜索に協力してくれます。命がけの救助活動、捜索活動になる事もあります。
「自己責任で釣りしてンだから……」と口にする釣り人もいますが、釣り人の自己責任とは、
他人に迷惑を掛けない責任
危険を避けて事故を起こさない責任
事故が起きても被害を最小に抑える手だてを講じておく責任
を指していることをお忘れなく。
※参考釣行時の安全装備と危険回避の知識
なんか……、風当たりが強そうだね?
 そうなんです。どの問題を取り上げても、釣り人は嫌われちゃいますよね。さながら、昨今の愛煙家のような存在になりつつあるようにも思えてきます。
 私が勝手に悪いことばかりを想像して挙げていると思われては困るので、実際に徹底的な釣り禁止措置の執られた神奈川県三浦半島馬堀海岸横須賀港馬堀地区安全管理手法検討委員会の議事要旨から釣り禁止決定に至る経緯を紹介します。この委員会は地元住民代表、学識経験者を交え、一般公開の上で議論されました。

第1回委員会(平成14年3月12日)議事要旨
「釣りについて」
 従来から釣りが禁止されていた護岸改修予定エリアですが、第1回委員会では、改修後も釣りを禁止にすべきかどうか、を検討するスタンスで議論されています。
 駐車場所が離れてしまえば、釣り人もやがて減っていくだろうし、それと共にゴミの放置や危険な投入などの不安も少なくなるから釣りは認めてもよいだろう、と言う意見も出ています。

第2回委員会(平成14年7月31日)議事要旨
「安全管理のための基本的対応」
 風向きが悪くなってきました。いきなり「釣りは禁止する」という前提で議論されています。それでも釣りは海と人との大切な接点であり、子供達が釣りで海に親しむ機会まで奪うべきではない、釣り人も利用者という傘の中に取り込んでマナー啓発を進めようという意見が出ています。少しは期待が持てそうな、前向きの意見に救われる思いがします。ところが……。

第3回委員会(平成14年10月16日)議事要旨

 さぁ、いよいよ風当たりが強くなってきました。釣り禁止の議論は「利用者同士の迷惑を防止するための重点課題」として挙げられています。とうとう"釣りは迷惑行為"と定義付けられ、その前提で議論される事になってしまいました。
 「釣り人がいかに迷惑な存在か」がクローズアップされています。釣り人は、暴走族やたむろするヤンキーよりも取り締まりが面倒で、非常に厄介で迷惑な存在であるという、地元住民代表の方の気持ちが伝わってきます。

第4回委員会(平成15年01月22日)議事要旨

 釣り許可あるいは一部許可を求める派の意見と、釣り全面禁止派の意見が数ページに渡って闘わされています。しかし、ゴミ放置、違法駐車、場所の独占、危険な投げ釣りなど具体的な迷惑例を挙げられ、かつ、地域住民アンケートでも釣り禁止を求める意見が多い、という現実を突き付けられています。釣りだけではなく、1.6kmにおよぶ護岸の遊歩道は自転車も進入禁止、水辺への立入も禁止という結論に達してしまいました。
 今後、状況や時代のニーズに応じて管理手法の変更はあり得るという含みは残されましたが、釣りに関しては迷惑事例の要因を多数抱えている上に、事故発生時の責任所在の問題もありますから、実情を考えると認められるのは非常に難しいかもしれません。
それでもまぁ、神奈川の馬堀海岸だけの話でしょ?
 ちょっと、ちょっと。そんな簡単に片付けちゃってはダメですよ。日本の行政ってどんなものか、ニュースや新聞でお役人の発言を見ればわかるでしょう?
前例に鑑みましてウンタラカンタラでございますゆえ、今回の事例
 につきまして、ゴニョゴニョのムニャムニャで、前例と同様の措置
 および対応を図って参る所存、方針でございます

前例が出来ちゃったんですよ、前例が。水辺への立入全面禁止、特に「釣りは徹底的に禁止って前例がバッチリと出来ちゃったんです。護岸や防波堤を造るのは国のお役人。管理するのは自治体のお役人。従って、馬堀海岸の一件は前例として今後に影響しそうです。他人事だなんて考えていたら、とんでもないシッペ返しを食います。
じゃぁ、どーしろッちゅうの?
 馬堀海岸の一件は、議事録要旨を読む限り、どう贔屓目に見ても、釣り人の自業自得ではないでしょうか。暴走族やチンピラよりも厄介で迷惑で危険な存在として地域住民に嫌われたのは、釣り人自身の行いが悪すぎたからとしか言えないでしょう。
 釣り公園を作ってくれるように、陳情や署名をして実現したとしても、今のままではダメです。馬堀海岸の例をよく見ると、「近くに釣り公園があるんだから、そこへ行けば?」という意見が出ています。これって悪く言えば釣り人の隔離って事じゃないですか? 釣り公園や釣り桟橋などの施設以外では、釣りが出来なくなっちゃうかもしれませんよ。
 そうならないためには、必ずゴミは持ち帰る。車は駐車スペースに止める。車が止められない場所にはマイカー釣行しない。場所を占拠しないように竿数を減らす。荷物はコンパクトにまとめる。仕掛けの投入時には前後左右の安全確認をする。他者に不快な思いや、危険な思いをさせない。迷惑を掛けない。こんなの小学校の学級会の議題にもなりゃしない事ばかりです。そんな事が釣り人には出来なかったから、馬堀海岸のような前例が出来ちゃったんです。どうしろこうしろって問題じゃないってわかりますよね。
 馬堀海岸の前例を覆すためには、地域住民のみなさんから「海辺で楽しむ釣りはかけがえのない国民的レジャーだから」と言ってもらえる行動をしていくしかありません。
 釣りマナーというより、人として当たり前のことを当たり前にやるしかないです。地元の地域住民のみなさんだって、自由に釣りが出来た方がいいに決まっています。自分の住む街の海岸で、おじいちゃんがのんびりと釣り糸を垂れる。子供を連れて家族で魚釣りを楽しむ。地域住民である自分たちの楽しみを失ってでも、釣り禁止にして釣り人を締め出したいと思わせてしまった、私たち釣り人の責任は重い。馬堀海岸で犯した失敗を戒めとして、今後の行動を改めましょう。
少しはいい話はないの?
 和歌山県白浜町の湯崎漁港では2004年6月末から『漁港内全面釣り禁止』となりました。アジ、アオリイカ、グレなどがよく釣れる人気の釣り場でしたが、ゴミの放置や迷惑駐車など、釣り人のマナーの悪さに漁業者が業を煮やし、漁港を管理する白浜町建設課と白浜漁業協同組合が相談して釣り禁止を決定したのです。
※参考:紀伊民報
絶好の釣り場「全面禁止」白浜・湯崎漁港

 しかし、1ヶ月と経たないうちに釣り禁止を解除!
「マナーに注意を払うので元通りに釣りができるようにしてほしい」と、地元の高齢者釣り人からの要望が相次ぎ、漁業トラブル円満解決を図る町地域漁場利用調整協議会の審議で、「一部のマナーの悪い人のため、地元の高齢者の楽しみを奪うのは良くない」と判断された
※参考:紀伊民報
白浜の湯崎漁港 釣り全面禁止を解除 マナー守ればOK

 地元の釣りファンが、地域住民である自分たちの楽しみを守るべく立つ。お家でブツブツ言うよりも、「改めるべき点は改める。だから釣り場を開放して欲しい!」と具体的提案を持って掛け合う事です。
 海岸線の開放や水辺のレジャー推進は掛け声だけではありません。立入禁止が解除され、年中無休24時間開放、入場無料の海釣り公園に生まれ変わった例もあります。
※参考立禁解除! 高潮防潮堤が釣り公園に生まれ変わった!!
2004年10月に福島県小名浜港に釣り公園が新設されました。
※参考福島県に新設釣り公園誕生!!
今度は沖堤にまで規制強化の動きが!
 2004年11月10日の神奈川新聞に、驚くべき記事が掲載されました。横浜市港湾局、横浜水上警察署、横浜海上保安署が、横浜沖堤の立入禁止規制の強化に向けて動き出したというのです。
※参考沖堤よ、おまえもかッ!
愛煙家の轍を踏むべからず!
 かつてタバコは大人の嗜みであり、昭和の頃までは銀行とか企業の応接室には、高級タバコや葉巻が用意され、「まぁ、一服どうぞ」と来客をもてなしたものです。皇室からの下賜品にも恩賜タバコ、恩賜葉巻があったほど。それが今では、吸い殻のポイ捨て、歩きタバコ、間接喫煙による非喫煙者の健康被害への無頓着さなど、マナーの悪さが原因で、"愛煙家"と言えば『身体に悪いと解っているのに、健康管理や自己管理の出来ない人間』『他人の迷惑を顧みない厄介者』などのレッテルを貼られつつあります。愛煙家の自業自得ではあるのですが、たったの20年弱でとんでもなく肩身の狭い立場に追いやられてしまいました。かく言う私も愛煙家で、紙巻きタバコも、シガリロも、葉巻も大好き。ひっそりと自宅の自室で(仕事場兼用の自室以外は禁煙……)紫煙と馥郁たる薫りを楽しんでいます。ともあれ、世論は味方としてはとても頼りないのですが、敵に回したらとんでもなく恐ろしいという実例です。

 釣り人はどうやら、愛煙家と同じ道をたどりそうな状況です。ゴミの放置、迷惑駐車、水辺の独占、フェンスやゲートの破壊、釣り場周辺施設の汚損や落書き、深夜早朝の騒音、放置された釣り糸や仕掛けや、ルアーによる鳥や動物たちの可哀想な姿……。そして台風の高波が押し寄せる防波堤で釣りをしている無謀な釣り人。落水事故を起こし、海上保安庁や漁船が懸命の捜索救助にあたっている姿。挙げ句の果てに無謀な釣行や立入禁止エリアに侵入して事故を起こしておきながら「行政の安全管理に手落ちがあった」と訴える。テレビや新聞で報道されるたびに、「ひどいなぁ……、ロクなモンじゃねーな」と思いますよね。釣り人の目からみれば、"ロクなモンじゃねー" のは不祥事や不都合な事をしでかした本人個人なんですが、世間一般の目には十把一絡げで "釣り人ってロクなモンじゃねーな" と映るんです。

 釣り場周辺住民のみなさんにとって、釣り人は珍走団(=暴走族)やチンピラ以下ですよ。珍走団やチンピラは警察が近づいてきただけで逃げますが、釣り人は平気で居座っていますから。退去勧告を受けても「自己責任でやってンだから、余計なお世話だ!」と逆ギレする始末。で、自己責任でやってると言う釣り人の姿を見てみると、ライフジャケットを着ているわけでもない。救難ロープを用意しているわけでもない。田んぼのあぜ道で小鮒釣りするのと同じ格好です。自己責任と言ってみたいだけと違うのか? どこに自己責任を負っているのか、問いたい。問い詰めたい。小一時間……(略)。
 海は言うまでもなく、渓流や湖沼でも落水時の危険性に大きな違いはありません。それをまったく認識していないんです。しかも車は違法駐車で、ゴミは散らかし放題。なんて迷惑な存在なんでしょう。「もう、釣りなんか法律で禁止しちゃえ!」そんな世論が湧き上がってきても不思議じゃありません。「そんな大げさな……」と言う事なかれ。時代は変わってきているんです。世間の目は釣り人に対して厳しくなっています。

 愛煙家と同じ轍を踏みたくなければ、すべての釣り人が、今すぐに行動を正さなければならない時期に来ています。難しい事じゃありません。お金も頑張りも必要ありません。危険回避、安全装備、自己救命策、釣り場周辺環境への配慮など、ちょっとした知識とほんの少しの気遣いだけでいいんです。うっかり他人に注意すると危険なご時世ですから、自分だけでも釣行時にはライジャケを着て、誰かが放置したゴミも黙って拾って帰りましょう。ねッ!